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学校長メッセージ

2025.04.18

一学期始業式

  皆さん、お早うございます。

 今日は大切な一学期の始業式です。

 一年の計は元旦にありと言います。輝かしい新年を迎え、心新たにして、今年一年の目標を定めて、努力しようと誓う日です。学校生活では一学期の始業式がその日に当たります。昨年、自分の身の回りに起こった様々な出来事を振り返って、心を豊かに、アップデートしてください。この一年が楽しい、充実した、有意義な一年になり、掲げた目標が実現できるよう、精一杯努力してほしいと願っています。

 今年も本校に憧れて、高い目標を掲げ、夢と希望で胸を膨らませた新入生が入学してきました。どうか、先輩の皆様は新しい環境の中で不慣れで、戸惑う新入生に温かいアドバイスをして、親切な指導をしてあげてください。新入生の皆さんは先輩の皆さんの言葉に耳を傾けて、学校生活がスムーズにいくように心がけてください。「袖すり合うも他生の縁」ということわざがあります。これは、全く知らない人と路上で袖が触れ合うのも前世からの何かの繋がりがあるということです。また、「一期一会」と言う言葉もあります。この言葉は茶人千利休が茶会の心構えとしていったものです。「今日の茶会は再び繰り返せない。一生に一度のものである。だから、主人も客も、そのことを心得て、全力を尽くして、素晴らしい茶会にしよう」という内容です。あなた方は何かのご縁があって、この学校に通うことになりました。是非。このご縁を大切にして、互いに助け合って、アカデミックな校風を創り上げてください。

 先日、近代泉州高等学校の入学式がありました。新入生の皆様、改めて、ご入学おめでとうございます。それぞれ夢をもってしっかり頑張ってください。入学式では、新入生の顔つきを見ると、新たな環境に対する緊張感と戸惑いを感じるのと同時に、一人ひとりの瞳が輝いていて、「さあー、頑張ろう」とする意欲を強く感じました。新入生の皆さんは厳しかった入学試験の試練を乗り越え、合格発表の日に自分の番号を見つけた時の感激は、これまでの人生で最高の喜びであったと思います。どうか、あの感激をいつまでも大切にして、脳裏にしっかり焼き付け忘れないでください。また、合格という栄冠を手にしたことへの自信と誇りを持つとともに、掲げた目標に向かって精一杯努力した過程、プロセスに価値をおいて、これからの学校生活が充実したものになるように精進努力してください。他学年の皆さんも全員が同じように、入学試験を通して、喜びも悔しさも経験し、近大泉州に通学することになった時、それぞれが、大きな希望と夢を抱いて、胸をわくわくさせたことと思います。どうか、今一度、その時の期待感を思い出し、心を豊かして、一歩先へ歩んでほしいと強く期待しています。

 さて、一学期の始業式にあたり、あなた方に希望することを少し話したいと思います。

 一つ目は、本日の始業式にあたる話として、「凡事徹底」というメッセージを送ります。凡事の凡は平凡の凡で、事は物事の事です。この言葉、凡事徹底とは「なんでもないような当たり前の事を徹底的に行うこと」または「当たり前のことを他人の追随を許さないほど極めること」という意味です。やれば誰にでもできることを徹底して、その過程で差をつけるという考え方です。ところが、残念ながら、私たちは「そんな簡単なことをやっていたって、何もならない。そんな誰でもできることをやっていたのでは、人に遅れてしまう。この競争社会の中で勝っていくことはできない。」という風に思い、バカにし、おろそかにすることが度々あるのです。人は誰しも、何かで成功したいとか、周りの中で特別な存在でありたいと願うものです。控えめな人でも、やはり人並み以上になりたいと思うはずです。そのためには、何か特別なことをしなければならないと考えてしまうのが普通です。

 現代社会には、目に見える所ばかり飾り立てたり、目に見える短期的な成果ばかりを追い求めたりする風潮があります。しかし、一流の人は、目に見えないところを磨き上げると言われています。成功や幸せは人それぞれ様々な形があります。しかし、「凡事徹底」を実践して得たところが共通点です。誰にでもできる簡単なことでも、大切なことは決しておろそかにしないとする姿勢の積み重ねが、成功や幸せにつながるのです。

 しかし、この「当たり前を徹底する」ことは意外に難しく、根気と精神力がなければすぐに三日坊主になってしまのです。平凡なことを徹底して継続することが非凡であるということなのです。

 あなた方にとっては、「欠席、遅刻、早退しない。授業を大切に、先生の話にしっかり耳を傾ける。授業中は私語を慎む。予習、復習を怠らない。課題に真面目に取り組み、提出期限を守る。常に自分中心の物の考え方をしないで、仲良くできる豊かな心を育む。」このようなことではないでしょうか。是非、これから、日々、なんでもないような当たり前のことを、当たり前にできるように努力してください。

 二つ目は「ごめんなさい、すみません、申し訳ありません」という謙虚な言葉を素直に言えることです。これからの学校生活が充実したものになるためには、やはり、しかりとした学習姿勢と豊かな魂・フレームの大きな心が必要です。学校という教育施設は別名「学び舎」と言われています。文字通り「学び舎」は多くのことを学び、仲良しになれる豊かな心を身につける所です。学校という集団生活にあっては様々な性格をした、色々な特性を持つ生徒が存在しています。学び舎という共同生活がうまく機能するには「ごめんなさい」という謙虚な言葉を素直に言えることがとても大切な要素です。

 私たちは悪気がなかったとしても、間違ったことをしたり、他人に迷惑をかけたりしてしまうことがあります。そうした時、相手に恨みを残すことなく、また、自分にも後ろめたさを感じることなく、前向きに歩んでいくためには「ごめんなさい」という言葉が大きな効力を持っていると思います。

 友達との間でトラブルが起きた時、いつも「自分が正しい」思っていないでしょうか。相手ばかり批判して、心を傷つけるようなことはしてはいないでしょうか。済んでしまったことに、いつまでも愚痴をこぼしていないでしょうか。「私が悪かった」と反省し、素直に謝ることができているでしょうか。この「反省」とは、なかなか難しいものです。たとえ自分が悪いと分かっていても、素直に謝れないこともあるでしょう。一方で、他人の過ちに対しては、すぐに厳しい目を向けてしまうことが私たち人間の弱いところです。私たちの批判の目は、他人に対しては簡単に向けられますが、自分自身には向きにくいところがあります。

 過ちや失敗は誰にもあることです。また、人は誰しも不完全な存在です。自分が不完全であるなら、他人もまた不完全なところをもつ、同じ人間なのです。「不完全な自分」を認めることは、他人に対する優しさや、思いやりに繋がっていくのではないでしょうか。皆さんもお互いに気を使いながら、お互いに助け合いながら学び舎と言う共同生活を楽しく過ごして欲しいと思います。

 結びに、「豊かな心」について話をします。

 「豊かな心」とはフレームの大きな心であり、五つの心から成り立っていると解釈することができます。

 ・一つ目は命を大切にする心

 私たちは自らの意志で両親や時代や社会を選ぶことはできません。私たちの生命は授けられたものであり、ゆえに、自分の命を大切にするとともに、周りの人々の命も大切にして、お互いに、助け合い、支えながら人生を歩もうとする心です。

 ・二つ目は人を愛し、思いやり、感謝できる心

 自分が在るから周りが在るのではなく、周りが在り、周りの支えが、助けがあるからこそ自分が在る。だから、周りの人々を愛し、思いやり、心から感謝するできる心です。

 ・三つ目は対等の立場で語れる心

 二十一世紀は対話の時代です。対等の立場で、同じ目線で、対話できることが大切です。友達と仲良くすることができる心、つまり、いじめとか、差別をしないで、対等の立場で、同じ目線で話ができる心です。何かにつて話し合いをするとき、「私が高くて、貴方が低い」とする考えで話を進めれば、最初から勝負が決まっていて、正しい結論を出すには最終的には暴力でしかないのです。

 ・四つ目は一歩先へ、いつでも夢を、明日に希望を求める心。

 世の中で、どんなに立派な人でも、どんなに徳を積んだ人でも、どんなにお金持ちでも、悩みを持っていない人はいません。悩んだり、困ったことに直面した時に、どのように対処するか、どのように身を処するかが大切であって、そのときの冷静な身の処し方が人生で幸せをつかむ試金石になると思います。人生はいつも幸せで右肩上がりではありません。楽しいとき、悲しいとき、山と谷の連続です。人生の谷に落ちたときに「こんないいことはいつまで続かない。こんな悪いこともいつまでも続かない。」と思って、希望の中に幸福を見出して、投げやりにならないで、知恵を使って冷静に対処することが大切です。ゆえに、大切なのは一歩先へ、いつでも夢を、明日に希望を求める心です。

 ・五つ目、最後は、主体的になって学ぼうとする心です。

 人から与えられるもの、教えられることには限りがあり、有限です。自ら求めるもの、自ら学ぶことには限りがなく、無限です。未自ら掲げた目標を達成できるか否かは自らの「心」に掛かっています。

 この豊かな魂、フレームの大きな心を育むことが、幸せで、豊かな生活を送るうえで最も大切な資質である信頼を得ることができる秘訣であると思います。

 令和七年度も皆さんが健康で、楽しい学校生活を送り、目標達成への礎を造ってくれることを心より願っています。

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