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学校行事

2020.04.18

校長の英語講座 エリザベス女王の演説(日本語訳)

校長の英語講座 エリザベス女王の演説(日本語訳)

[発信日:令和02年04月18日]

 2020年4月4日イギリス、エリザベス女王のコロナウイルスに関するテレビ演説

 

 私は今、ますます人の心を苦しめると思われる時に皆さんにお話ししています。我が国の生活が大きく混乱している時です。ある人には大事な人を失った嘆きを与え、多くの人に経済的な困難を与え、我々全員の日常生活に大きな変化を与える混乱の時です。

 国家健康省の最前線にいる一人ひとりに感謝します。さらに看護に当たり、重要な役割を担う人にも感謝します。その方々は我々全員を支援するために自宅の外にいて終わりの見えない仕事を自分を顧みずに行ってくれています。間違いなく国民は皆さんがなさることに感謝して、皆さんが一時間ごとに激務をされることによって我々を元の生活へと戻してくれることを信じているとお伝えしたく思います。

 私はまた、自宅にとどまって下さる人にも感謝いたします。家にいることによって体の弱い人を守る手助けとなり、また愛する人を失った人が今までに感じた苦しみを家族が感じないようにしてくれるのです。共に我々はこの疫病と戦っています、そして私は我々が連帯して強い決意をもったままでいれば病気に打ち勝つことができると強く申し上げたく思います。

 いずれ何年か後にはこの困難に国民がどのように対応したかを誇りと共に振り返ることができるだろうと願っています。後世の人々はこの世代のイギリス国民が他の世代に劣ることなく勇敢だったと言うことでしょう。自分を律する特質や静かで穏やかに物事に当たる特質、他人を思いやる特質は、今も同じようにこの国の国民性を作り上げています。我々が現在の我々に感じる誇りは過去の誇りではなく、我々の現在と将来とを決めるものです。

 連合王国が心を合わせて医療関係者や主要な役割の人に拍手をした瞬間は、我が国の精神を現した瞬間として記憶されるでしょう。そして子供たちが描く虹の絵がそれを象徴するものとなることでしょう。

 イギリスの連邦諸国と全世界で、我々は人が人を助けようとして一つになる心温まる話を見てきました。それは食料の包みや医薬品を届けたり、隣人の様子を尋ねたり、仕事を止めて援助作業の手助けをしたりする話です。

 自己隔離は時には困難なものですが、さまざまな信仰を持つ人が、また信仰のない人も、自分の行動が祈りの心や瞑想の心をもって、行動を抑制し、立ち止まって考える機会となるのだということを知り始めています。その姿を見て私は1940年に行った初めての放送による演説を思い出します。妹の助けがありました。二人は子供でしたが、家から避難させられて安全な所へと送られた子供たちに対して、このウインザー城から話しかけました。今日、再び多くの人が愛する人との別離の苦しみを味わうことでしょう。しかし今、あの時と同じように、我々は心の奥底でこれが正しい行動だと知っています。

 我々は以前にも様々な困難に立ち向かってきましたが、この困難は以前とは異なります。今回我々は世界中のすべての国と共に一つの使命でまとまっています。大きな飛躍を遂げた科学と本能的とも言える人を癒そうとする共感の心が利用できるのです。我々は成功します。その成功は我々一人ひとりが成し遂げたものになるでしょう。

 まだ耐える必要はあるでしょうが、いずれ良い日が戻ることを心の安らぎとしましょう。そう、友人とまた共にいることができます。家族と共にいることも。また会えるのです。

 しかし今このときは、私から皆さんに感謝の言葉を送ると共に、心からお元気で過ごされることをお祈りいたします。

 

 

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