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学校長メッセージ

2024.10.25

第1学期終業式 7月29日

 皆さん、お早うございます。

今日は第一学期の終業式です。本来なら体育館に集まっていただいて、終業式を行う予定でありましたが、十年に一度の猛暑による熱中症防止と、感染症予防のため放送にて終業式を行います。

あっという間に一学期が過ぎ去りました。終業式は心をアップデートし気持ちを切り替えるきっかけとなる日です。また、同時に自分自身の行動について、心のあり様について、いったん立ち止まって、胸に手をあってて「自分はこれでいいのかな。」と自分に問うてみる大切な機会でもあります。

 本年度の教育活動は幸いにも感染症が感染法において二類から五類に引き下げられ、ほぼ通常に実施をすることが出来ています。しかし、油断せずに感染予防に努め、また、熱中症にも注意してください。

さて、一学期の行事を振り返ってみると、年当初の入学式、始業式、対面式を予定通り終えることができ、本年度は百五十七名の新入生を迎えることができました。

校外学習においては、高一はユニバーサルスタジオジャパンに、高二は白浜アドベンチャーワールドに出かけました。また、高一は琵琶湖宿泊研修も実施致しました。いずれの行事も事故なく無事に終了することが出来ました。また、体育祭も通常の形で開催することができました。生徒の皆さんは真摯に各競技に取り組み、若さと情熱、そして力が結集した実に素晴らしいものになりました。まさしく「泉州学園の精神、泉州学園の魂ここにあり」の、創設以来、引き継がれた伝統を垣間見ることができました。観戦を賜った保護者の皆様をはじめ多くの人々から「良かった」との声があがり、心より感動されていました。さらに、アメリカのルーズベルト高校との国際交流も昨年に引き続き実施することができました。本校での学校生活、ホームステイ生活を両校の生徒が共有し、異文化交流を通してグローバルマインドを育むことができたことは大きな実りでありました。どの行事も予定通り、大過なく無事に終了したことを仏天のご加護に感謝すると共に、これらの行事に携わっていただいた全ての皆様方に深く感謝いたします。

しかし、一方で、貧しい心が芽生えて反省しなければならない様々な出来事がありました。特に振り返る必要があるのは、学習姿勢はもとより、生活態度です。とりわけ、周りの友達との人間関係がうまくいかず、お互いの心が離れたことはなかったでしょうか。

あなた方はひとり一人を見ればそれぞれ個性を持った素晴らしい生徒です。しかしながら、残念ながら共同生活という集団にあっては様々な問題が起こっています。時には私が高くて貴方が低いとする自分中心の物の考え方から、我儘、気儘が芽生えて、相手に嫌な思いをさせ、それが高じて、いじめに繋がる行為も発生しています。

人にはそれぞれが生まれ育った環境が違います。皆、それぞれが独自の物の考え方、物の見方、価値観を持っています。こんな状況の中で自分がいつも正しい、いつも苦労している、いつも損をしていると思ってしまうと、相手はいつも間違っている、楽をしている、得をしていると錯覚してしまうことがあるのです。

集団生活の中で協働して何かを成し遂げようとするならば、相手の意見にしっかりと耳を傾け、互いにコンセンサスを取るためのコミュニケーション力を身に付けることが大切です。相手の話に、意見に真摯に耳を傾け、対等の立場で、同じ目線で話をすることが共同生活の中では欠かすことのできない資質です。

 今日は大切なお話をしますので、しっかり耳を傾けて聞いてください。大切な話とは「いじめ行為」「いじめ行為に繋がる行為」についてのことです。

 今、日本の各地域の様々な学校で「いじめ行為」「いじめに繋がる行為」による悲惨で痛ましい事件、事故が多発しています。事件が起こる度、メディアに取り上げられ大きく報道されて、いじめ防止キャンペーンが掲げられてきました。しかし、一瞬、陰をひそめることがあっても、いっこうに「いじめ行為」はなくなることはありません。

 「いじめ行為」は様々な形で行われます。例えば、さりげない無視、ちょっとした嫌味、相手にわざと聞こえるような陰湿な悪口、陰口、嘲笑などがあります。さらに、エスカレートすると明確な仲間外し、過度な謝罪を求めたり、反抗できないような暴力行為や屈辱的行為があります。また、SNSを使った誹謗中傷があります。これらは自分の価値観にそぐわない人を排除し、自分の不満のはけ口を求めよとする誠に身勝手な自己主義から生じています。最悪のお場合は、相手を自由自在に支配する権力を見せつけることで、最高の快楽を得るというレベルに行き着くケースもあります。

 このような行為によって、いじめを受けた被害者の心はずたずたに踏みにじられ、人間としての尊厳が完全に否定されることは言うまでもありません。時には自ら大切な命を落とす最悪の事態になる場合もあります。。

 今、日本の各地域の中学校、高等学校でこのような悲しい出来事が起こっています。あなた方は、今、青春の真っ只中、掛け替えのない、二度と戻ることのない大切な時を過ごしています。あなた方、一人ひとりは自分の将来に大きな目標、夢を抱いて、その可能性に向かって楽しい経験、苦しい経験など様々な経験をしています。これから、社会に出て、社会人となり、良い伴侶に恵まれ、家庭を持ち、子育てをし、山あり、谷にありの貴重な人生を送り、この世に生を受けた喜びを感じ取ることが出来るでしょう。しかし、自ら命を絶った人は人生を全うするという人生最大の喜びを知ることはありません。これは言葉にできない悲しみです。皆さん、理解できますか。何かを感じませんか。

 すべての人間には基本的人権が保障されています。人権とは「人間らしく生きる権利」のことで、なりよりも尊重されなければならないものです。「いじめ」はどんなレベルであっても被害者の「人権」を侵害しています。

 しかし、頭で理解できていても、いじめ行為は後を絶ちません。なぜいじめがなくならないかと言えば、いじめをする者の周りには面白がって一緒になっていじめたりする人がいます。さらには、その周りには見て見ぬふりをする人、関係ないと思う人がいます。また、一緒にいじめないと自分がいじめられると思う人がいます。このような状況がいつまでもいじめがなくならない原因となっています。心の負のスパイラルが生じています。

 「いじめ行為」「いじめに繋がる行為」は自分にいじめる意思がなかっても、被害を受けた人が「いじめられた」と言えば「いじめ行為」であると認定されます。これが「いじめた」「いじめられた」についての基本的な考えです。

 有名な言葉に「言うは水に字を描くが如し、聞くは石に字を刻むが如し」と言うものがあります。その意味は言う方は軽い気持ちで言ったかもしれないので、すぐに、その内容について忘れる、しかし、言われた人は一生取り返しのつかない心の傷として深く残るという意味です。

 世の中には様々な人がいます。活発な人、おとなしい人、数学の得意な人、苦手な人もいます。その中で、自分の自己満足のために他人の人格、ひいては人権という最も尊重すべ大切なものを犠牲にしてもかまわないという利己的な誤った考え方は持ってはならない。相手を尊重し対等の立場で、良き会話を通して相手思いやることが大切です。

 自分には自分しかない特性があります。それと同様に他の人にもその人にしかない特性がある。自分に合わせてもらうものでもなく、他の人に合わせるものでもなく、お互いに尊重し合うことが社会の中で最も大切な要素である「信頼」を得ることができる秘訣であると確信しています。あなた方全員が好ましい人間関係の中で一人ひとりの才能を思う存分に発揮できるよう精進努力してください。

 最後に学校長からのメッセージです。

今日の「いじめ行為」「いじめに繋がる行為」についての話を聞いていただいて、この学園からいじめ行為が起こることのないようにしてください。万一、貧しい心が芽生えて、情けない行為が発生したら、学校として座視することなく、毅然として、厳しい指導を行います。場合によっては「退学」もあり得ることを心に留めておいてください。

 私たちはあなた方の保護者、お父さん、お母さんと同様にあなた方の味方、応援団です。応援団を悲しませることのないよう、楽しい学校生活を送ってください。

 与えられた私たちの命を大切にしましょう。

 今の私たちの命を大切にしましょう。

 これからの私たちの命を大切にしましょう。

以上でいじめに関する話を終わります。

 一学期、うまくいった人も、少しつまずいている人も、悩んでいる人も、心をアップデートし、心を豊かにして、元気な姿で二学期を迎えることができるよう、この夏休みを大いに利用し、大いに楽しみ、意義あるものにしてください。特に高校三年生は人生で一番勉強しなければならない夏休みです。後になって「もっと勉強すればよかったのに」と大きな悔いが残らないように全力を挙げて努力してください。祈っています。

一学期が無事に終了しました。報恩感謝。自分自身に感謝、お父さん、お母さんに感謝、先生方に感謝、助けていただいたすべての方々に感謝しましょう。以上で話を終わります。

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