学校長メッセージ
2025.01.10
2学期終業式 12月25日
今日は第二学期の終業式です。あっという間に一学期、二学期が過ぎさり、令和六年もあとわずかで終りを告げようとしています。
今年も例年通り、様々な心が弾む楽しい出来事、哀しい出来事が起こりました。中でも心弾む嬉しいことはパリでオリンピック、パラリンピック開催され、日本選手団が素晴らしい成果を残していただいたことです。多くの人々が各選手の活躍に勇気をもらったと思います。また、政治の世界も大きく変わりました。内閣総理大臣、日本の首相が岸田首相から石破首相に引き継がれました。日本の新しいリーダーの基、日本がますます繁栄し、全ての人々が幸せになることを願うばかりです。さらに日本原水爆被害者団体協議会、通称被団協が本年度のノーベル平和賞を受賞されました。日本にとっては悲願の受賞であり、この受賞は世界の人々に平和をもたらす起爆剤になると確信しています。
さて、二学期の学校行事を振り返ってみると、文化祭、芸術鑑賞、高校二年生のハワイ修学旅行を始めとする各学年の行事などを大過なく実施することが出来ました。
中でも、本校で最大のイベントである文化祭では、待ちに待った夢舞台で、クラス、クラブが日頃から培ってきた成果をいかんなく発揮し、高校時代にふさわしい青春の一ページを飾ってくれました。この成功裏には、生徒の皆さんが大人数で一つのことをまとめ上げるためにお互いを思いやり、助け合い、対等の立場で、同じ目線で、語り合う心を学んでくれたお陰であると確信しています。
加えて、、高校二年生のハワイ修学旅行においては、実施目的を充分に理解し、異文化交流をはじめ、、様々な体験を通して、一生忘れることのない感動と感謝の念を享受し、友人間の親睦を高め、豊かな心を育んだと思います。
また、この一年を振り返ってみて、あなた方の心の成長、学力の向上はどうでしたでしょうか。多くの人は実りのある豊かな学校生活を送り、充実感、達成感を味わっていることと思います。しかし、中には心が豊かにならず、思うようにいかず、迷いが生じて、学習面、生活面において集中できず、じくじたる思いをしている人もいると思います。
これまで、何度もお話をしているように、過ぎ去った日々を、過去の出来事をいくら後悔しても元に戻ることはありません。あなた方、生徒たちにとっては、悩むことも大切で、悩むことから人生で役に立つ多くの大切なことを学び取ることができるのも事実です。しかし、大切なことは悩んで、悔やんで立ち止まっているだけでは、今の状態から脱却することはできません。一歩先へ進むことから初めて前向きな気持ちが生まれ、新たな目標を抱くことができると確信しています。
「敦煌」や「風林火山」を書いた有名な小説家である井上靖さんが語った中に「努力する人は希望を語り、怠ける人は不満を語る」という言葉があります。この言葉は私たちの人間の心の在り方を端的に表しています。「この結果は誰それのせいだ」「何かが足らないからこのありさまだ」「そんなことを言われても出来るわけがない」など何かにつけて愚痴や不満ばかり言う人がいます。もちろん、不満は誰にでもあるし、いくらでも言えます。しかし不満や文句ばかり言い続けて成功した人はいません。不平や不満は自分の努力不足が招いた結果を正当化するために、他人を責めることで責任逃れをしようとする性質のものです。不平や不満ばかり言ってもモチベーションが上がるはずがありません。不平や不満は自分のためにもならないし、周りの人々にも不愉快な感じを与えてしまうことになりかねないのです。いわゆる、人生で歩いてはならない人の道である「愚者の道」「愚か者の道」を歩くことになるのです。愚者の道とは「自分の行っていることが自分のためにならないばかりか、相手のためにもならない生き方であるとされています。あなた方が歩まなければならい道は「自分の行っていることが自分のためになり、即、相手のためにもなり、相手のためになることが自分のためになる生き方、「自利利他の道」、「智者の道」を歩かなければならないことを心に留めておいてください。
一方、夢、希望を語る人はたいていの場合、それに近づこうと努力しています。目標が定まればモチベーションが高まり、やる気が努力を生み出すのです。そして、努力しているときは意外と不平や不満を言わないことが多いのです。これが不満ばかりを言う人と違いで、周囲から受ける好感度も大きく違うのです。常に、不平や不満を言って好かれる人はいません。前向きに、ポジティブに物事をとらえる人は人から好かれ、尊敬されるということを知っておいてください。「希望を語る人は努力をし、人にも好かれる、不満を語る人は怠け、人にも好かれない」と言われているのは周知の事実です。
この一年、言い訳ばかりをして、不平、不満、文句ばかりを言って素直になれなかった人、逃げてばかりいた人、その時は楽であったかもしれませんが、あなた方の持っている素晴らしい才能を自分でダメにしているのに等しい行為になっています。是非、自分の心の持ち方を振り返って、自分だけの物差しだけで物事を見ないで、豊かな心で学校生活を送れるように努力してください。
ここで、自分の心を省みることに繋がる松下幸之助氏の言葉を紹介したいと思います。日本には数え切れないほどの経営者がいますが、その中でも「経営の神様」と呼ばれたのがパナソニックの創業者、松下幸之助氏です。パナソニックという企業を一代でつくり上げた原動力は「心のあり様」を原点にした経営哲学です。その中の一例を紹介したいと思います。
「人と比較をして、劣っているといっても、決して恥ずることではない。けれども、去年の自分と今年の自分とを比較して、もしも今年が劣っているとしたら、それこそ恥ずべきことである。
失敗とは成功する前に止めること。
成功するまで続ければ必ず成功する。」
「一年の計は元旦にあり」という言葉があります。これは、諸説ありますが、一日の計は朝にあり、一年の計は元旦にあり、十年の計は樹を植えるにあり、百年の計は子を教えるにありとの代表的な一句であって、計画は早い時期に明確に立てることが大切であることを示していることわざです。日本では一年の終わりから新年にかけて、除夜の鐘を打ち、百八つの煩悩を消滅させ、 新たな年への期待と願いを込めるという習慣があります。大晦日から新年にかけての伝統は、私たちの一年間を振り返り、新しい年に思う夢と希望を確認し、その実現に取り組もうとする厳粛な場面を作ってくれています。 皆さんには、一年の冒頭に希望や目標を明確にしてほしいと思います。特に、三年生の皆さんは進路実現が叶うように心より手を合わせてください。そして、それに似合う努力をしてください。祈っています。
楽しいこと、哀しいこと、様々な出来事があった一年が暮れようとしています。何もかもが順調にいった人もいるし、中には壁にぶち当たり、思う通りの学校生活を送ることができなかった人もいるでしょう。しかし、冷静に自己を省みれば、必ず成長の跡が認められます。努力は嘘をつくことはありません。
来年こそ幸せな年でありたい。来年こそ成長した自分に会いたい。これらの願いを達成するためには学びたいきっかけを掴み、自分なりの目標を掲げることです。
年の瀬に、一年間頑張った自分を労り、褒めてあげ、成長の跡を確かめつつ、新たな志を立ててください。
最期に宗教詩人の坂村真民氏の詩を紹介したいと思います。
それは「希望」と題する詩です。朗読します。
「希望」
漫然と生きているのが
一番いけない
人間何か希望を持たねばならぬ
希望は小さくてもよい
自分独自のものであれば
必ずいつか
それが光ってくる
そして
その人を助けるのだ
それでは、皆さん、楽しいクリスマス、輝かしい新年を元気に迎えてください。
I wish you a Merry Christmas and A Happy New Year!
The real meaning of Christmas is the giving of love every
day.
Thank you for sharing a lot of LOVE and SMILE to me.