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学校長メッセージ

2024.10.25

第2学期始業式 8月20日

今日は大切な第二学期の始業式です。

楽しみにしていた夏休みも、あっという間に終わってしまいました。まず初めに、夏休みが終わり、皆さんが元気に登校し、こうして、互いに顔を合わせることができ、夢と希望に溢れる第二学期を迎えることができましたことを大変うれしく思い、心より神仏のご加護に感謝したいと思います。

あなた方にとって、どのような夏休みだったでしょうか。充実した長期休暇、夏休みを過ごすことが出来たでしょうか。多くの人は,楽しい家庭生活を送り、家庭学習も順調に進めることができたと思います。しかし、中には貧しい心、怠惰な心が芽生えて悔いの残る夏休みを過ごした人もいるでしょう。このことについては,深く反省をする必要があります。やはり、充実した休みを過ごすことができたか否かは「心の有り様」ではなかったでしょうか。しかし、いくら悔やんでも、いくら悩んでも、過去は戻ることはありません。反省を礎にして、一歩先に歩むことが大切です。「もっと努力すればよかったのに」と悔いている人は、この二学期を節目に「人と過去は変えることはできないが、自分と未来は変えることができる」という気持ちを持って、いつでも夢を、一歩先への精神で頑張ってください。

ここで、自分の心を省みることに繋がる松下幸之助氏の言葉を紹介したいと思います。日本には数え切れないほどの経営者がいますが、その中でも「経営の神様」と呼ばれたのがパナソニックの創業者、松下幸之助氏です。パナソニックという企業を一代でつくり上げた原動力は「心のあり様」を原点にした経営哲学です。その中の一例を紹介したいと思います。

「人と比較をして、劣っているといっても、決して恥ずることではない。けれども、去年の自分と今年の自分とを比較して、もしも今年が劣っているとしたら、それこそ恥ずべきことである。

「失敗とは成功する前に止めること。

成功するまで続ければ必ず成功する」

始業式は、心をアップデートし、気持ちを切り替えるきっかけとなる大切な日です。何事をするにも始めが肝心です。前向きな姿勢で学校生活を送ってください。

さて、二学期は一年の中で一番爽やかな気候に恵まれ、努力の成果が表れる時期で、「読書の秋」「スポーツの秋」「芸術の秋」などと言われるように、学習や運動、スポーツに打ち込める絶好の季節です。本校も文化祭、高校二年生のハワイ修学旅行など様々な行事を予定しています。また、高二、高三は、学習合宿行事が予定されています。それぞれの行事の目的を十分に理解し、最高のパフォーマンスをして、黄金に輝く稲穂のごとく、真の人間力、豊かな心を身につけてください。成果ある行事にするためには、互いに対等の立場で、対等の目線で語り合い、相手を思いやり、助け合い、協力することが何よりも大切です。あってはならないことは、これらの行事を通して、相手を思いやる気持ちに欠け、お互いの気持ちが離れてしまうことです。ましてや、いじめ行為が生じることのないようにしてください。

学校とは、別名、学び舎です。学び舎で何を学ぶか、一つは、しっかり勉強して高い教養を身に付けることと同時に集団生活の中で豊かな魂、フレームの大きな心を育むことです。

私たち人間は、喜怒哀楽の感情をはっきり表す生物です。感情に大きく左右されやすい特性を持っています。良いことが起これば大いに喜び、好ましくないことが起きれば大いに悲しむ、これが私たち人間です。しかしながら、人との争いを避け、穏やかで楽しい生活をするには喜怒哀楽の感情を正しくコントロースすることがこの上もない大切なことです。そのためには、本校の校訓に掲げている「誠実・礼節・友愛」の豊かな魂、フレームの大きな心を身に付けて欲しいと強く感じています。

さて、先日は、フランス、パリでオリンピック、パラリンピックが開催されました。華やかな雰囲気の中で、成功裏に終了しました。どの国の選手も全力を挙げて試合に臨んだその姿は多くの人々に大きな感動を与えました。日本選手団も素晴らしい演技を披露し、多くメダルを獲得しました。日本選手団の皆様に「ご苦労様でした。感謝です。」の言葉を投げかけたいと思います。また、同時に「スポーツは様々な人々を一つの輪にすることが出来る素晴らしい力がある」と改めて実感しました。

では、本日の始業式にあたる話として、「保護者・ご両親のありがたさ」についてというメッセージを送ります。

まず初めに、オリンピックに関する内容に絡めて、数年前に、五十三歳の若さで、浄土に旅立たれた平成の三四郎とうたわれた柔道家の古賀稔彦選手の話をしたいと思います。彼は、ソウルオリンピック、バルセロナオリンピック、アトランタオリンピックと3回のオリンピックに出場した天才の柔道家です。現役引退後も多くのオリンピック選手を輩出した名監督でもありました。ソウルオリンピックでは3回戦敗退、バルセロナオリンピック金メダル、アトランタオリンピックでは銀メダルと輝かしい成績を収めました。しかし、柔道家としはソウルオリンピックの時が一番強く、本人自身も、誰もが金メダル間違いなしと思っていました。しかし、3回戦でよもやの敗戦をきっしました。彼はその瞬間、こんなに一生懸命練習してきたのに負けるとは世界で自分が一番不幸な人間、悲劇のヒーローだと思ったそうです。その時、観客席を眺めるとお父さん、お母さんが応援に駆けつけてくれた人々に、一人ひとり丁寧に深々と頭を下げ「すいません、すいません」と謝っている姿が目に入ったそうです。ご両親は、自分自身が大きな罪を犯したごとく涙を流しながら謝っておられたそうです。彼は、このことから二つのことを学んだと言っています。そのひとつは、両親への感謝を心から感じたことです。ここまでの選手になったのは自分の努力が全てであるとずっと思っていたけれども、この時の親の姿を見て、ここまでこれたのは自分だけの力だけではない、周りの人たちの協力や援助、特に両親の助けがあったからであると強く感じたと言っています。両親のありがたさを痛感し涙が止まらなかったそうです。

もうひとつの教訓は、心技体の心を鍛えること、自分には技体は備わっていたけれども心が欠けていたと悟ったことです。心とは「両親や周りの人々に感謝し、あきらめないで絶対に金メダルを取るという気概」を持つことです。彼は,この後「諦めからはないも生まれない」と言う言葉を座右の銘にしています。もし、あの時、観客席にいるお父さん、お母さんのあの姿を見ていなければ、バルセロナオリンピックの金メダルはなかったし、多くの方から信頼される名監督にはなれなかったと思います。あなた方のご両親もまったく同じ気持ちだと思います。大きな失敗をしたり、大きな病気をしたりすれば本当に自分が身代わりになってやりたいと思うのが親心です

私の好きな言葉に「鬼面仏心」という四文字があります。鬼の形相をした顔には仏心が宿っているという意味です。これは、人としてしっかりと理解して、受け止めなければならない言葉です。私たちは両親、先生、人生の先輩から自分の我儘な行動についてあれやこれやと指導を受け、厳しい顔つきで注意された時に、ややもすると「うるさいな、どうでもいいやろう、ほっといて」と悪態をつき、不遜な態度を取ることがあります。しかしながら、心に留めなければならないのは、はたして、ご縁の少ない、周りの人々が、心からの言葉で注意をしていただけるであろうかと思うことです。例えば、何かあなた方に不測のことが起これば、ご縁の少ない周りの人は「可哀そうに、気の毒やな。」とは思ってくれるが、それ以上のことは通常期待することはできません。保護者、両親は自分が身代わりになってやりたい、自分の命を捧げて守りたいと心から心配するものです。

ご両親、先生から叱咤激励された時のあの怖い顔の内側には「親心」「愛する人思う真心」という「仏心」が満ち溢れていると感じ取ることが大切です。ご両親、先生方、周りの方々も、あなた方に直さなければならないところがなければ、正す必要がなければ、何も小言を言うことはありません。どうか、鬼のような形相で叱られた時には「私のことを思っていてくれる」と思って素直な態度で接して欲しいと思います。

現代社会を見回してみると、人に見せる顔は笑顔であっても、その内側は身勝手な自分を貫く鬼の心、つまり「仏顔鬼心」が宿っている人が多くなっているのは寂しい気がします。親が嫌われたくないと子どもの機嫌を取り、指導者たる立場にある人が大切なものを大切だと伝えきれない傾向にあることは少し残念なことです。

今日は保護者、ご両親の「ありがたさ」について話をいたしました。参考にしてください。

この二学期は学習について最も実力が身につく時期です。この学期でどこまで計画的に努力するかが、今後の成績の進捗に大きく影響を与えることは明白です。今、高校三年生の皆さんは、志望校に合格できることができるよう、大学受験に向かって、必死になって勉強していると思います。また、高校一年生、高校2年生の皆さんは、それぞれ自分の進路を考え、一人ひとりが将来に向けて夢を抱いていることと思います。それぞれが抱いた目標、進路、夢を実現しようと思えば、それに見合う努力をすることが、絶対条件です。努力なしでは何の成果も生まれることはありません。これは自明の真理です。

第二学期は、極めて大切な学期です。自分自身ために、クラスのために、近畿大学泉州高等学校のために、一人ひとりが惜しまず最大限の努力をしてください。みんなで楽しい二学期にしましょう。

以上で話を終わります。

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